彫り師の●●さん知ってますか?
タトゥー業界で有名な彫り師はたくさんいる。と思う。
たまにお客さんとの会話で出てくるのだけれど
「彫り師の●●さん、いるじゃないっすか?」
と、あたかもこっちが知っている程で喋ってくる人がいる。
いや、知らんしね。
業界では有名で、技術も上手くて、海外の大会なんかも出ているらしい。
それでも、知らないものは知らない。
まるで、中学生が、「●●中の●●君知ってる?」というようなノリで聞いてくる。
よく、有名人と知り合い、ということを偉そうに語っている人と同じノリだ。
有名かもしれないけど、僕は知らないし興味もない。
もし本当にその人が有名で、その人が上手いと思うなら、なぜその人に施術してもらわないのだろうか?
また、その有名な彫り師を知っている、というだけでマウンティングしてくる意味も全く理解できない。
タトゥー業界は本当に狭く、閉鎖的だ。
タトゥーに興味がない人にとっては未知の世界で、正しい情報すら入ってこない。
僕的にはそんな狭い業界の中で、うちのスタジオが有名になる必要もないと思っていて、海外の大会にもエントリーフィーや渡航費、滞在費、ブース出展料金、モデルの準備などを全部負担してまで出る意味はないと思っている。
もちろん、それ自体を否定している訳ではない。大会は大いに結構だ。少しでも世の中にタトゥーが広まってくれるのならいいと思うし。
そういう大会に出たり、賞をもらったりすることに重きを置いている彫り師もいるし、別にいいと思う。
ただ、僕は興味がないというだけ。
先日も上海タトゥーコンベンションの運営から、「参加しませんか?」という打診メールが届いていたが、もちろんそのメールはゴミ箱行きになった。
業界内だけで有名になっても仕方がないと思っている。それを目指している人を否定している訳ではなく、我々は目指していないだけ。
業界に関係ない一般の人にも認知されることを目指している。
そこに温度差があるのは当然で、目的も方向性も違う。
ただそれだけの話。